窓からの風景
老朽化が進む我が家は、住めば都とはよく言ったもので、住む程にすべてが愛着に変わっていきます。
その中でも、お気に入りの場所は、どの窓からも緑の風景が見えるところ。
キッチンのカウンター越しの窓からの借景は、竹林や白椿、守り神のような大木まで見え、
まるで森の中に住んでいるような気持ちにさせてくれます。
休日は珈琲を飲みながら、葉の揺れに風を感じたり、ぐんぐん伸びる竹に驚いたり、
過ぎていく時間を忘れてしまうこともしばしば。そんな窓辺を、野良猫が我が物顔で通り過ぎることも時折あり、
『共存』を感じるとともに、現実の世界に引き戻され、そそそくさと動き始める私です。
(イッコウ マユミ)